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自身の経験が、徳島の地域と食の歴史でもある貴重な一冊に
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昭和4年11月、徳島県徳島市佐古町の商家に生まれた著者の板東君江さん。卒寿を迎える頃、次男の板東孝明さん(グラフィックデザイナー・武蔵野美術大学教授)が「僕が本をつくってあげるよ」と言ったことから、本づくりが始まりました。
はじめは「自分の本ができるなんて想像もつかなかった」そうですが、インタビューが進むとともに「自分の生きてきた道を思い出すことが楽しくて、その気になってきた」そうです。「本が出来上がって本当に嬉しいです。宝物ができました」「自分の経験を話しただけと思っていましたが、こうして本になると、徳島の地域と食の歴史でもあり貴重な一冊になりましたね」と喜びを語ってくれました。
佐古の諏訪神社を遊び場として過ごした幼少期、徳島大空襲、敗戦、戦後の復興…。やがて父・板東春吉が経営する食料品問屋「板東春吉商店」は大繁盛。著者は父を手伝い、早朝から深夜まで休みなく働くことに。この物語は、昭和時代の徳島市街の地域社会の実際を描くとともに、しっかり者で前向き、よく働く「阿波女」のルーツを探ることができます。さらに歳を重ねたのち、水を得た魚のように世界中を旅する著者の冒険物語も痛快です。
「母は話好きで、兄や私、そして孫たちに語る商いや旅の話を、聞き流すのはもったいないと一冊の本にまとめるに至った」と孝明さん。自らが監修と装丁デザインを務めました。